私の勧める岩波新書 について

水曜日 朝 晴れ。のち曇り。 暖かし。
岩波書店のPR雑誌「図書」が、岩波新書70周年記念として「私の薦める岩波新書」という特集版を出した。「私」をどのような基準で選んだのか、基準が公開されていないが、学者、評論家、作家などの読書人218人に、自分の選んだ3冊の岩波新書というアンケートを出し、その結果をまとめたもの。岩波文庫についても同じような企画が10年ごとに発表されているが、岩波新書については初めてだと思う。1冊選べ というのは選び易いが、3冊は難しかった と何人かの人が言っていたが、わかるような気がする。岩波新書は1938年の発刊以来1600点以上出されているが、アンケートに選ばれたのは360点ほど、この書名に目を通すと知らないものが意外に多いのにはガッカリした。岩波新書も最近は目先のテーマによって書かれたものが増えて印象に残らなくなったのかもしれない。薦める人が一番多かったのは丸山真男の「日本の思想」、ほかに、シュレジンガー「生命とは何か」、斉藤茂吉「万葉秀歌上下」、EHカー「歴史とは何か」、加藤周一「羊の歌」など。 アンケートは「薦める」基準が自由なので、三木 清の「哲学入門」があったり、堤未果の「ルポ貧困大国アメリカ」だ出てきたりしている。アンケートに答える人の岩波新書への思いが窺われてそれが面白い。自分だったら何と答えるか、次の通り。確かに3点というのは難しい。10点くらいの方が答え易い。
 増田四郎「ヨーロッパとは何か」 今回、誰もこの書名を挙げる人がいなかったのには驚いた。
 井上清「日本の歴史 上、中、下」 推薦者1名 甲南大学の物理学の先生。 
 野上豊一郎「能の話」 推薦者なし。