年季の輝き

土曜日 曇り。
寒し。夕方 ストーブ点火。冬到来だ。



NHK TVで宝生流 能「井筒」放映。録画は宝生能楽堂 お客さんの姿がないので録画のための舞台だったのだろう。出演はシテ 今井泰男 ワキ 宝生 閑 アイ 野村 萬  笛 一噌仙幸 小鼓 成田達志 大鼓 柿原崇志という名人ぞろい。公開だったら切符が売り切れになってもおかしくない位の顔ぶれだ。「井筒」は幽玄の極みと言われる名曲で、それなりの期待をして観たが、シテが1921年生まれ、能楽界での最長老で、そのためか、TVで観た限りでは体の運びに年がうかがえて、やや興がそがれるところがあった。プロの観点では年季の積み重ねの芸を評価する人もいるかも知れないが、どんなものだろうか?高齢といえば萬さんも80歳近い筈だが、堂々たる存在感のある語りを見せてくれた。文字通り年季が光る芸だ。
「年季」の輝きがいつしか「老化」なってしまうのは避けられないのだから、身の処し方が大事なところだ。なんだか後期高齢者の人生を語るような、妙なことになってきたのでこれでやめる。