危機の元凶

土曜日 曇り。
終日 日が差さず。秋晴れもどこかへ行ってしまったようだ。
1970年にノーベル経済学賞を受賞したサミュエルソン(まだ元気だったのだ、94歳!)が今の経済危機の元凶について、今日の朝日に胸のすくような論考を寄稿していた。、やや長いが引用する。曰く「今の危機は避けられた筈の危機だ。なぜなら、ブッシュ大統領クリントン前大統領から、政権を引き継いだとき、米国の経済は健全であり、財政は黒字ですらあったのだから。ブッシュ大統領が掲げた「思いやり保守主義」は、結局のところ、億万長者に対し優しい政治だった。億万長者を作り出すには役立ったが、中流以下の人々には優しくなかった。その結果米国の人々の生活は厳しさを増した。イラク戦争と並んでこれがブッシュ大統領の不人気の理由であり、米国の歴史において最悪の大統領として名をとどめることになるだろう。「億万長者への思いやり」というのは、たとえば、証券取引委員会の委員長に、能力が低く利益相反の危険のある人物をわざと採用して「優しく穏やかな委員会」にしたことが象徴的だ。以下略」等々。
では日本の小泉改革はどうだったのか、断片的な遠慮勝ちな意見は散見できるが、きちんとした総括が、わかり易く国民の前に広げられているとは思えない。メデイアは今それを求める責任がある。