茂と太郎

金曜日 曇り。風強し。
夕方より気温低下。気象情報によると、本格的な秋の空気が大陸から入ってきているらしい。間もなく10月、これが普通なのだろう。
22日、麻生首相は就任の挨拶冒頭に、祖父 吉田茂も自分と同じ67歳のとき首相に任命されたと述べて、自分と吉田茂を並べてみせた。
吉田茂は敗戦の翌年5月に首相になり、1954年の秋まで5次の内閣まで首相を務めて退任した。「不逞の輩」とか、「バカヤロウ」解散とか、「臣茂」という署名とか、その発言と振る舞いは、ワンマン宰相と云われ、国民の批判も多かったが、その存在感も大変なものだった。巻紙に筆で書いた施政方針演説の草稿を読み上げている姿は未だ覚えている。この「祖父 茂」が67歳で首相になった時の施政方針演説を読むと、戦後1年足らずの日本の首相としてなすべきことが、わかり易く、要領よく述べられている。曰く、平和憲法の制定、飢餓状態にある食糧問題の解決、民主主義国家の建設。要すればこんな所か。廃墟となった日本の再建が首相の課題だったから、孫の太郎とはまるで視線が違う。祖父の大きさを見習って欲しいものだ。29日の太郎の施政方針演説が見もの。