ブルックナーを聴く  夏の課題

金曜日  晴れ。
風もあり、やや涼しい。午前中は予約してある歯科医院へ。

福田改造内閣成立。財政再建へ背水の陣の構え。口当たりのいい構造改革の「上げ潮」派は消えた。あとは財政再建と弱者の安心をどう両立させるのか、「再建」を錦の御旗にして何でもありにしないことだ。いずれにせよ 総選挙は近い。ギッチリ見守ることだ。

ブルックナーの続き。5つの交響曲を続けて聴いたのだが、まともに通して聴いたのは4番と7番だけ。あとの3曲は聴きながら居眠りをしてしまった。吉田秀和もどこかのコンサートで7番を聴くいながら2楽章の途中で眠ってしまい、目が覚めたらまだ2楽章が終わってなかったと何かに書いていたから別に恥ずかしいことではない。
 4番はすごかった。重戦車のような迫力ある響きで迫ってくる。N響にこんな音が出るのかと再認識させられた。5番は93年のシカゴ響を朝比奈が振ったものだが明るい響きが印象的、朝比奈が金管の人数を倍にしたいと提案したら、メンバーがシカゴの金管は世界一だから任せてくれ、と言って増員はしなかったという。なるほど金管の澄んだ音は見事、演奏後のシカゴの聴衆のブラボーもすごかった。小澤の振った7番はややバラバラな感じで重厚感がない。期待外れ!
 ちゃんときいていないのだが、ブルックナーの交響曲の中では、自分は8番が名曲でこれだけ聴けばいい というような先入観がある。何しろ重厚長大戦艦大和のような曲だが、日本ではよく演奏されるようだ。とくにマタチッチがN響を振った演奏は歴史に残る名演として語る人が多いのだが、残念ながら映像も録音も聴いていない。カラヤンベルリンフィルと来日した時、この8番をやって、終わって指揮台を降りるときカラヤンが倒れそうになって団員に支えられた映像は実際にみて記憶している。それほど指揮者に負担を強いる曲なのだ。
 ブルックナーの交響曲の中では先ず7番をきくのがいい とか 4番が「ロマンチック」と云う標題の通り親しみやすいとかいろいろ云う人があるが、そんなことはない。みな同じ感じだ。もっと聴き込めば別なのだろうが、ベートーベンのように曲の特徴がよく分らない。それにメロディーがないから口ずさめない。とにかく、もっと聴きこまないとブルックナーは語れない ことだけがわかった。この夏の課題が出来ました。