年度末。バッハ パルテイータを聴く。

月曜日  雨。夕方から晴れ。
朝から冷たい雨。冬に逆戻りだ。
いろいろ暗い思いのする年度末。気象もそんな感じ。政治も経済も先行き不透明でこんな思いのする年度末は初めてだ。政治家は知らないが、経営の任に当たっている人は、今日は眠れないのではないだろうか。

バッハ パルテイータ 6曲のうち前半の3曲を聴く。ピアノ グレングールド。
昨日聴いたモーツアルトの幻想曲とソナタの印象が消えず、同じグールドのバッハに針を下ろしたもの。グールドのピアノはやはりバッハがいい。音の一粒一粒がクッキリしていて、もやもやしたところがない。だから譜面が追いやすく曲がよくわかる。それにしてもバッハの曲は何というのだろう。聴いているとこちらの気持ちが清澄になる。
モーツアルトには無条件に陶然とさせられるが、バッハの音楽は神の世界を覗くような厳粛なものがある。今の世の中では救いとなるものだ。
ビクターからリヒテルの演奏する平均律のレコードが出た時、吉田秀和が この曲とこの演奏は一度針を下ろすともう最後まで針を上げられない、とレコード評を書いていたのを覚えているが、このパルテイータも同じだ。聴き出すとやめられない。平均律は4枚だからパルテイータの倍のヴォリュームだが、そんなことは関係ない。
明日は4,5,6番を聴くつもり。
 パルテイータを聴いたのは偶然にも丁度10年前の今日、もっと頻繁に聴いていたつもりだが時間の経つのは早いものだ。10年などすぐ経ってしまう。貴重な残り時間を密度高く使わなければいけないことを思い知らされた感がする。