多士済々です

水曜日  曇りのち晴れ。

 52会Sさんから 小和田 恒氏が昨年7月に「学士会会報」に発表した、元国際司法裁判所所長故安達峰一郎博士の肖像画について書かれた文章の抜き刷りが届いた。Sさんはこの安達峰一郎記念館の常任理事で、昨年6月にこの肖像画をオランダ ハーグにある国際司法裁判所に届け、小和田氏と共にその除幕式に参列した方だ。先日開かれた52会の例会でSさんからその体験談を聞いたが、残念ながら誰もこの安達峰一郎のことをよく知らないのでよい参考資料があればとお願いしていたところ、直ぐに届いたものだ。
 小和田論文によると、この安達峰一郎という人は1931年から3年間日本人としてただ一人国際裁判所所長の重責を担った人で、第2次世界大戦前の日本が生んだ世界に最も知られた国際法学者であり、国際連盟を中心とする国際社会で尊敬された真の国際人だったという。フランス語が実に堪能で、英仏を向こうにまわして日本の主張を1歩も譲らず、国際連盟事務次長だった新渡戸稲造が、お前の舌は国宝級だ、と評価したという。
国際司法裁判所には歴代の所長の肖像画が掲げられているが、なぜか安達所長のそれがないのに小和田さんが気付いてSさんに協力を求められたのだという。新年にふさわしい爽やかな話題で、Sさんに礼状をしたためておいた。自慢ではないが、52会はSさん、Kさんを始め多士済々です。