火曜日 曇り。時々雨。


 園田高弘に、「音楽の旅ーヨーロッパ演奏記」という
 著書がある。1960年1月にみすず書房から出されたもの
 で、1957年7月から翌年9月頃までの滞欧中の日記である。
 取り出して巻末をみると、1960年の2月に読んだ という
 メモがある。昨日のリサイタル映像の余熱でページを開いて
 読み出したら実に面白い。若い園田の感性 まだ30才位 が
 あふれていて共感を覚えることしきりだ。バイロイト
 ワーグナーの「指輪」4部作を聴いて「神々の支配のすべて
 が終わり、人間の世界の創ることを象徴するところは、何と
 比類なき創造であることか。4部作を通じてきいてみると、
 リヒャルトワーグナーの創造的精神の巨大さに感嘆のほかはない」
 と記している。まさに我が意を得たりだが、こちらは4部作を通して
 聴いたのは去年だから、園田から50年遅れだ。まあいい。
 全部読み返してみよう。どれだけ響き合うものがあるか楽しみだ。
 明日も雨模様らしい。気象庁は梅雨入り宣言をしたらどうかと思う。