謹賀新年

金曜日

 2010年が明けました。受け取った賀状には 平和な年でありますように との祈りの言葉多し。
快晴で空気は乾き 冬らしい元旦だ。まずは明けましておめでとうございます。

新春の日の出  建設中の東京スカイツリー


大晦日 N響の「第九」を久し振りに真面目にきいた。指揮はクルトマズア。20年前 ライプチッヒゲヴァントハウスの指揮者だった彼が、 自由を求めた東ドイツの大デモ隊の先頭にいた映像がまだ鮮烈に残っている。だから「第九」には特別の思いがあるようで、この日の演奏は奇を衒わず、テンポも崩さず、ドイツの正当な演奏で とてもよかった。ベートーベンの声の限界を求めるような合唱の高音をカバーするためか、子供の合唱隊をソプラノ側に並ばせていたのは新しい試みだが、効果あり と思えた。

元旦は朝からお屠蘇をスタートに、熱燗の酒と、おせち料理でのどを潤し、おなかを膨らまし、あとは半睡眠状態で漫然と過ごす。初詣もTV任せ。本も手に取らず、文字通り緊張感ゼロの1日でした。夜は毎年恒例、ウイーンフィルのニューイヤーコンサートを観る。7時から3時間。今年の指揮者はフランスのジョルジュ プレートル、85才、これがよかった。全曲 暗譜で大振りはしないが、自分のウインナワルツはこれだ ということだけを指示し、ウイーンフィルの連中もそれに充分応えて満員の客席を沸かせていた。ラデツキーの手拍子のさせ方も独特。プレートルという人は全身音楽で、頭を叩くとウインナワルツが出てきそう。85才の高齢ながら3時間の演奏中は立ちっぱなし。自分にはとても出来ない。それにしてもこのコンサートは毎年世界中からお客が集まって、楽友協会のホールは超満員。これを観ないと正月の気がしなくなったから立派なものだ。来年の元旦は誰が振るのか今から楽しみだ。