友枝会

月曜日  曇り。
文化の日、この日は「晴れ」の特異日で、予報もピカピカのお出かけ日和と報じていたが、今日は朝からドンヨリとして爽やかさなし。TVのニュースもトップに自動車教習所の倒産や、水道管工事の事故を伝え「文化の日」に相応しい明るいニュースはなし。それなりの特集番組もなく、「文化」もソッポを向いた普通の休日だった。

昨2日は国立能楽堂の「友枝会」へ。演目は「橋弁慶」「半蔀」「道成寺」の能3番と狂言1番「清水」という、友枝一門の全力を尽くした滅多に観られない豪華なもの、5時間を超える観能は流石にグッタリしたが充足感も大変なものだった。真也師は「道成寺」を立派に披いた。小鼓の裂帛の気合に合わせて足を運ぶ乱拍子の緊張感は息を呑むよう。これからの活躍が期待出来る。ここまで仕上げた師匠のご苦労が報われたのではないか。人間国宝のシテとワキが演じた「半蔀」、シテの舞いも装束も、絵の中のような優美なもの、それでいて2人の名人の作り出す緊張感は大変なもので、文字通り舞台に引き摺り込まれた80分だった。「橋弁慶」は何といっても子方の雄太郎君。彼は姿がよく演技もきれい。立派に昭世師の芸を継いでいる。今日の「友枝会」はあれやこれやで、一門の明るい未来が見えたようなおめでたい会でありました。