金曜日 曇り。
 寒し。最高気温4℃。明日は雪らしい。
 原ヨシ久「吉田茂」(岩波新書) 半分ほど読む。
 気がついたのは、戦後日本の首相に外交官が多かった
 ことだ。幣原喜重郎芦田均 吉田茂 など。
 並べると、皆「宰相」といっても恥ずかしくない人だ。
  占領下でアメリカとのやりとりが大事な時代だった
 ので首相に外交経験を求められたのかもしれない。
  橋本、小渕、森、小泉 と並べると前の3人とは
 役者がまるで違う。オチる。何故か。
  戦後は政党もまだ発達せず、総理には「人」が求め
 られた。このところは「芦田日記」を読むとよくわかる。
 ところが、自民党体制が出来てくると、党の派閥の力学
 から首相が生まれることになり、日本の首相は「政治屋」
 のたらい回しになってしまった。だから、世界を見渡して 
 日本の姿を描き、それを国民に語るという「宰相」が生まれ
 ないのだ。吉田茂は7年あまり政権にあって唯我独尊を貫いた。
  体制を変えたり、「改革」を唱えることは大嫌い、だから
 左翼や学者グループを、不逞の輩、とか曲学阿世の徒と呼んで
 顰蹙をかった。憲法改正反対、天皇制護持、英国派であった。
  毀誉褒貶あったが筋が通っていた。だから「評伝」が面白い
 のだ。小泉、森の評伝なんか手にもしたくない。ないだろうが。
 吉田を小泉、竹中と対決させてみたいものだ。
  麻生外相は吉田の孫だが、祖父はどう評価するだろうか?