吉本隆明の死

金曜日  雨

 週末になると雨だ。気温も低く 春未だ遠しという感じ。
午後は雨の中をヨタヨタと、定例の喜多会幹事会出席のため横浜へ。この会を作ってもう15年くらいになると思うが、いつの間にかご老人の会になってしまった。お互いのグループの報告はメンバーの病いの情報ばかり、生き生きしたニュースがなくなってきて淋しい限りだ。

 一週間ほど前になるが、吉本隆明氏の死去が報じられた。戦後思想界に大きな影響を及ぼした「知の巨人」という調子の追悼記事が多かったが、自分はこの人のことを全く知らない。「吉本隆明」という名前を知っている程度。膨大な著作もあるが、その著書は1冊も持っていない。立ち読みもしたことがない。「言語にとって美とはなにか」「共同幻想論」などの著作が書店で並んでいたのは知っていたが、手に取ることはなかった。自分の感性が貧しいのか、故人の器が大きすぎるのか、縁なき「巨人」が消えたというのが実感。ときに87歳「ご老人」にもいろいろあるものだ。