ベートーベンの愚作

金曜日 曇り。

梅雨らしいジメジメした鬱陶しい天気だ。日本の雨季は陰性で気分が晴れない。熱帯地方のように、ザーッと降ったかと思うとカラッと陽が差すようなメリハリのある雨季の方がいい。

 ボケ封じのこの「日常」も欠落続きだが、記録をみるといつも間にか900日を越えている。継続は力なりというが、継続は老化というのが実感だ。でも、菅さんのようにメドがつくまでは続けるべきかな?

 ベートーベン 三重協奏曲ハ長調を聴いた。カラヤン指揮 ベルリンフィル、ソロはリヒテルロストロポービッチ、オイストラッフという超一流だ。音源は1968年録音の古いLPだが、音はとてもいい.
 有名な曲だが自分はあまり聴いていない。何故か?
それは、昔 吉田秀和が、ベートーベンの作品は粒揃いだが愚作が三つある。それは「田園」、「ウエリントンの戦い」それに「三重協奏曲」だ と言ったのが印象に残っているからだ。
「田園」と「ウエリントン」の評価は理解出来るがこの「協奏曲」はどうして?という気がしたまま聴かずにウン十年が経ってしまったのだ。たしかに聴いてみると抵抗なく耳に入ってくるがそれだけに平板な習作のような感じがする。あまり演奏されないのは、ソリストを3人も揃えるのが大変ということもあるが、曲の完成度が低いという評価もあるからだろう。気休めに音を流しておくには耳障りがなくていいかも知れない。

 自分だけの独断でいうなら愚作?がもう一つ それは第九のおまけに演奏されることのある「合唱幻想曲」だ。この曲はピアノソロとピアノ協奏曲が中心で合唱は最後の部分だけだ。曲名に惑わされる。中身も第九のような深みがない。だから演奏されることも多くはないのだ。