芸術の秋

日曜日 晴れ。
 雲多く蒸し暑し。雨は降らず予報外れる。
能の大曲「伯母捨」の放映を観る。横浜能楽堂での喜多流公演を収録。NHKも気合を入れて、アイの語りも含め、全曲2時間半をあてて放映した。動きが少なく、それだけに難しい曲だが、シテ、ワキ、アイ囃子とも緊張感ある引き締まった舞台だった。2時間を越える長さも感じさせなかった。昨日は小澤、今日は能、TVのおかげで芸術の秋を満喫というところか。

今日のシテ方を演じた友枝昭世師のコメント 「伯母捨」の老女の足の運びなどは「老人っぽく」を意識しないようにした。その方がかえって「老人」の雰囲気が出ていたかもしれない。

 およそ老人の立ちふるまひ、老いにればとて、腰膝をかがめ、身をつむれば、花失せて古様に身ゆるなり。さるほどに面白きところ稀なり。(世阿弥 風姿花伝)

 自分は老人っぽくなってきたかな。


今日のN響の時間はバレー音楽特集、6月の公演からストラヴィンスキー火の鳥」とルーセル「バッカスとマリアンヌ」。指揮はアシュケナージ。ルーセルの曲は初めて聴く曲、始めの中は面白くないな と感じていたが、終曲の洒落たリズムは印象に残った。「火の鳥」は何度聴いても名曲、アシュケナージはこういう曲が得意なのかもしれない。少なくともブラームスではないと思う。上半身に力の入る彼の指揮ぶりを見るとこちらの肩もこってしまう。今度はいつ頃見られるのだろうか。