日曜日 雨のち曇り。
 昨日の予報では、今日は日中は陽がさして27℃位に
 なるということだったが、全くちがう。陽はささず
 薄ら寒い。だが蒸し暑いよりはいいかも知れない。

 1957年4月に新潮社から吉田秀和の「音楽紀行」という
 本が出されている。これは売り出されて直ぐ買って読んで
 いる。巻末には6月に読了のメモが残っているが、当時どこまで
 書いてあることが理解出来たのかわからない。
  吉田秀和は1953年の年末から翌年10月までアメリカ、ヨーロッパ
 へわたって演奏会やオペラを聴き、現地の多くの音楽関係者を訪問
 して当時としての新しい情報を得ている。その報告を「芸術新潮」に           約2年にわたり発表したが、それを一冊にまとめたものが本書である。
  園田高弘は1957年の夏からヨーロッパへ演奏旅行にでかけその
 日記を「音楽の旅」として出していることはこの「日常」に書いたが
 吉田は園田の3年ほど前にヨーロッパの音楽界に接していること
 になる。尤も園田はヨーロッパで吉田に会っているようなので
 吉田はまた年を置いてあちらに出かけたのだろう。羨ましい!
 園田は演奏家、吉田は評論家という違いはあるが2人が精力的に
 音楽会に行っていることは共通している。吉田がニューヨークでは
 トスカニーニ指揮のオペラやコンサートに何度か行き、リハーサル
 にまで立ち会っているのには今読んでもおどろかされる。
 その頃、ニューヨークでもトスカニーニの券は入手困難だったという。
 1950年台の前半に音楽評論家の園部三郎はチェコ、ポーランド、
 ハンガリー、ソ連などを廻り、その報告を「東欧紀行」として平凡社
 から出版している。これも手に入れて読んでいる。

 当時こちらはやっとその道に興味を覚え曲名やら人の名前を知り
 出した頃。半世紀ぶりにこれらの旅行記を読むと何とか全体が理解
 出来る。それは、こちらも飽きもせず音楽に触れてきたことと、多少
 彼らの訪れた現地に足を踏み入れたからだろう。
  それにしても同じ頃に同じような旅行記がいくつも出されたのは
 何故だろうか。
  長くなるのであとはまたの日に。 
 

                           つづく