素謡「経政」の稽古 大変です。

3月27日    水曜日   曇り

 

 寒い!朝からストーブに点火、終日暖房完備。年のせいか、省エネとかエコの世界に意識がいかなくなった。寒いから点火、それだけ。単純そのものだが、将来エネルギーコストが牙をむいて仕返しにくることを覚悟しなくてはいけないのかも。早く本来の春の暖かさになってほしいものだ。

午後は、今年はもう着ることはないと思っていたコートを着て「浜友会」へ。外は風が冷たい。 稽古は 6月15日開催の「喜多能楽大会」に出す素謡「経政」。

  

 

 

一の谷の源平の戦いで討たれた平経正(謡曲では伝統的に経政と書く)は琵琶の名手で、死後も琵琶の音色を慕って幽霊となって現れるという優美で洗練された曲。仁和寺の行慶僧都が、琵琶を仏前に供えて回向する という情緒溢れる内容である。師匠から、仁和寺の行慶僧都をやれ との指示があり、これから稽古に出る前の予習が大変だ。仁和寺の行慶は高貴な身分で,しめやかな品位があらわれる役作りを心得るべし、と物の本にいわれているので、自分にどこまで出来るか?だ。

 今、朝日新聞に連載されている能楽囃子方 大鼓の亀井忠雄師の「聞き書き」を読むと、自分は囃子方だが、地頭が出来るくらい謡を謡い込まないと鼓を打たしてもらえなかった と亀井師は修行の厳しさを語っている。シロートのわれわれも舞台に出るなら、その半分くらいの厳しさが必要だろう。本番は6月15日(土)。出番は全18番のうちの初番。 さてどうなりますか。大変です。