安岡章太郎

 土曜日  雨→曇り→晴れ

  昼までは昨夜来の雨。久しぶりの雨でカラカラの空気もしっとりしてきた感じだ。

気温は何と20℃、寒い、寒いと言って震えていたのがウソのよう、どういうことなのかよくわからない。明日は又元に戻って10℃くらいになるらしい。外に出る人は着るもののコントロールが大変だろう。

 

 1月30日の新聞に、作家 安岡章太郎さんの訃報が出た。92歳。晩年は殆ど消息が伝えられず、忘れられた人なっていたが、新聞の記事を見て、急にひとつの時代が終わったという感慨におそわれた。また、この2~3日,必要があって、この人の古い著作「志賀直哉私論」1968年刊が机の上に置いてあり、この赤い装丁の本を開こうとしていたところなので、偶然とは思えぬ何かを覚えた。吉行淳之介遠藤周作,小島信夫らとあわせて「第三の新人」といわれていたが、この3人も、もう故人になってしまった。生き残りは阿川弘之くらいではないか。阿川も安岡章太郎と同じ年の生まれだから、決して若くはない。

ところで自分は、安岡章太郎の作品はほとんど読んでいない。代表作といわれる「流離譚」ほか、2~3は読んだ記録が残っているだけだ。(記録であって記憶ではない)新聞には、安岡章太郎は、小林秀雄から、私小説はもういいから歴史を書けよ といわれて「流離譚」を書いた としてあるが、自分は、この作品は、志賀直哉の「暗夜行路」の影を払いきれず書かれたのではないかと思うが、どうだろうか?もう1度、この二つを読み比べて見ないと責任ある感想とはいえない。大変だ!