ベートーベンの魔力

金曜日   晴れ

暑さ 今日も厳しい。今年は酷暑といわれた去年より暑い感じがする。勝手な想像だが、来週一杯 20日頃まではこのままの暑さが続くのではないか?昨日は横浜で、タレントがらみのイベントで多数の熱中症患者が救急車で搬送されたという報道があった。 実は、自分も正午から謡曲の稽古が横浜の海岸通であり、4時間近く稽古場にいた。そこは、事故の現場のすぐ近くだが、稽古場は冷房完備で騒ぎに全く気がつかなかった。第一、こんな集まりがあったことも知らなかった。帰宅後、TVで知ってびっくりした次第。それにしても、若い人はわれわれと違って、この種の情報の感度が鋭い。だが、この人達の関心の向かう先はどうなっているのか?TVの生み出した知性ならぬ痴性集団ではないのか?

自分は関心がないのでよく知らなかったが、手塚治虫は大変な
クラシック通だったそうだ。先日、N響の時間彼が暮らしていた練馬のスタジオが紹介されたが、そこには、最後に聴いていたレコードがそのままプレーヤーに載っていた。 曲はベートーベンの第8交響曲,映像では、レコード盤はコロンビアだったから おそらくワルターの演奏だろう。 
 お嬢さんのるみ子さんが、父は仕事中はいつもベートーベンのレコードを大音響で鳴らしていた。きっとそれで精神を奮い立たせていたのだろう といっていたが、よくわかる。ベートーベンの音楽には精神覚醒剤のような魔力があるのだ。

 自分も今この暑いさなか、毎日ベートーベンの音楽をCDではなくて、レコードで聴いているが、色々聴いているうちに、自分が生涯の最後に聴く音楽はべートーベンのミサソレムニスかも知れないと思うようになってきた。理由は別にはっきりしたことではないのだが、オイゲン ヨッフムアムステルダムのLPを聴いてから何となくそんな思いが横切るようになったのだ。
 これもベートーベンの魔力なのか。