アナログ受信の最後

日曜日  晴れ

 やや蒸し暑し。4〜5日続いた台風崩れの涼しさも終わったようだ。明日からは猛暑がブリ返すという予報。夏も涼しいにこしたことはない。


 テレビのアナログ放送は今日の正午で閉幕、おかげで、まだ充分賞味期限の残っている受像機が、今日の正午を堺に一瞬にしてガラクタになってしまった。参考のために、昨日からのTV画面を記録しておいた。切り替えは一瞬でした。










 



今日、日本全国では膨大な数のガラクタが発生したことになる。この国家的大愚行については何故かあまり議論がないようだ。デジタルになって何がよくなるのか、分り易い説明をみたことがない。デジタル化の前に番組の内容を向上させるべし!伸助、さんま、SMAPの3Sと たけしやオカマに頼らぬ番組が出来ないものか?

 昨日 15時からBSフジでチェコフィルの演奏会、プラハ城の金ピカのホールで公開録画。震災見舞いの日本へ贈る番組だそうだ。途中からみたが、最初はブルッフのバイオリン協奏曲、独奏は樫本大進。ポピュラーな曲だが最近余り聴くことがなくなった。粘っこい曲で自分は好きな曲ではない。日本に贈る演奏会で何故この曲が取り上げられたのか 説明をききたかった。樫本の演奏はとても音が綺麗だ。これで救われた。2曲目はご存知「新世界」。この曲をこんなに真面目に聴いたのは初めてかもしれない。チェコフィルの管楽器のうまさに驚いた。ふくらみのあるホルン、軽やかに跳躍するフルート、そして極め付きは第2楽章で「新世界」を歌うコールアングレの女性、新世界がこんなにいい曲だと感じたのはこのチェコフィルの演奏が初めてだ。チェコフィルの「新世界」はウイーンフィルのドナウみたいなものかも知れないが、兎に角絢爛豪華な「新世界」、いい演奏が聴けてとてもよかった。指揮は時々N響を振る人で、顔は知っているが名前は忘れた。
 演奏が終わって一呼吸してから盛大な拍手があった。洗練された聴衆だな と思う間もなくテレビはすぐコマーシャル、演奏の余韻にひたることなど全く配慮なし。折角日本に贈ってくれたのに受け取るテレビがめちゃめちゃにぶち壊してしまった。テレビ制作の現場には感性を重んじる品格がなくなってしまったのだ。