LPのベートーベン

水曜日 終日快晴。

 青空でまさに梅雨明けだが、宣言なし。梅雨明け宣言の出た南九州はこのところ大雨続き。

ベートーベンの交響曲を全部 物好きにもLPで聴いた。
 演奏も、音質もよかったもの、 クリュイタンス指揮、ベルリンフィルの第1と第2交響曲、カルロスクライバー指揮 ウイーンフィルの第7交響曲、ショルテイー指揮 シカゴ響のエロイカ よくなかったものカラヤン ベルリンフィルの第4、ベーム ウイーンフィルの田園と第8交響曲、 良くも悪くも、別格はフルトベングラー バイロイト祝祭響の第9交響曲, まずまずは ベーム ウイーンフィルの運命。

LPの魅力は手にした時の質量感だ。とくに古いレコードは厚くてズシリと重い。上の例ではベームの第8、フルトベングラーの第9だ。特に第9は2枚物で厚紙の化粧箱に這入っていて それだけで有難味がある。このレコードは会社の先輩が海外出張の折、土産に買ってきてくれたもの。いまこのLPは、廉価版のCD1枚になっているが、これでは単なる音源で、手に持った時の有難みは感じられない。CDはプレーヤーにかけて音を出さないと価値が出てこないものなのだ。その点、レコードは手に取っただけで何かを期待させる「存在感」がある。アナログ時代のお宝というべきか。
 LPは、盤による違いもあるが、今聴いても意外に音質がいい。聴いた中では特にクリュイタンス、ベルリンフィルの第1と第2 カルロスクライバー ウイーンフィルの第7などは、楽器の音もひとつひとつ明瞭に聴こえ 音色もCDでは味わえない温かさを感じることが出来た。
 レコードを聴くには、表面を拭き、針の先もきれいにしないといい音が出ないところも人間的でいい。

 聴き慣れている筈のベートーベンの交響曲を、譜をめくりながら連続的に聴くのは、意外に草臥れるものということを知った。年のせいで馬力が無くなってきたのだろう。岩城弘之が、毎年大晦日に ベートーベンの交響曲全曲の連続演奏会を開いていたのは本当に凄いことなのだ。それも全曲暗譜で、医師の看護を受けながらというのだから 人間わざとは思えない。
 岩城弘之はベートーベンと刺し違えて亡くなった。

 自分も出来ることなら、ベートーベンを聴きながら天国の門をくぐりたいものだ。ベートーベンの音楽には、そんなことを望みたくなるような魔力がある。

それにしてもアナログはいい。また嵌まり込む恐れがあるぞ!
 注意すべし!