忘れられた人  徳富蘆花

日曜日  晴れ。  

雲多けれど雨降らず暑し。梅雨明けも近いか?

蘆花の作品といえば、不如帰、みみずのたはごと、自然と人生、思出の記、寄生木、などがすぐ浮かぶが読んだのはこの中で「思出の記」のみ。
明治31〜32年に発表された「不如帰」はいうまでもなく蘆花の代表作、一躍蘆花を当時の人気作家に押し上げた作品である。以後蘆花は今でいうベストセラー作家になった。これらは皆明治の時代に書かれたものだが、、大正期以後の作品はもう読む人はいないのではないか。「黒い眼と茶色の目」「新春」「日本から日本へ」「竹崎順子」「冨士」など。このうち、「黒い眼と茶色の目」と「新春」は岩波文庫のカタログにあるが、絶版で入手出来ない。蘆花は、明治40年 東京府北多摩郡粕谷 現在の都下烏山の芦花公園 を永住の地と定め農夫のような日常を送った。広大な土地と屋敷に、夫人と何人かのお手伝いさんを相手に日々を送っていたのである。男は蘆花ひとり という異常な構成だったが 日記を読むと蘆花がこの粕谷の生活を心から愛していたことがよくわかる。
徳富蘆花は人も作品も今は忘れ去られた存在だが、残された「芦花公園」によって我々はいつでも「徳富蘆花」にふれることが出来るのだ。

夜のN響の時間 今日は毎月1回の「永遠の名曲」と題するテーマで、今日はモーツアルトの交響曲第41番ハ長調「ジュピター」。確かに「名曲」には違いないが、なぜ「永遠の」と評価されるのか、その点が説明がなく中途半端。単純な形容詞だと思うが、「今週の名曲」くらい紹介にしておいた方がいいだろう。
 自分はあまり好きな曲ではない。そのせいか、CDもLPもスコアも持っていない。39番の方がずっといいと思うがどうだろうか?。
実は聴きながら眠ってしまった。この時間もコクのないつまらぬな番組になってきた。曲だけ黙って放映してくれればそれでいい。