モーツアルト クラリネット5重奏曲

日曜日  曇り 夜は雨となる。 寒し。
立春のころ、暖かくなって冬が去るのは淋しいものだと書いたとたん冬のぶり返し、寒いだけでなく雲の多い日が続くのもいやなものだ。
 昨日は終日 能楽堂で素人の謡曲、仕舞などの世話焼きで 疲労感が消えず。この世界は素人と玄人の差が歴然としていて、演じている人達は一所懸命なのだが、それを観たり聴いたりしている人は大変な忍耐を必要とする。同じシロウトでも、合唱祭などは半日くらい聴いてもそんなに負担感はない。同じ舞台芸術?でなぜそんな違いが出てくるのだろうか?

疲れ直しにモーツアルト クラリネット5重奏曲 イ長調 k581
を久しぶりに聴いた。演奏はブラームスと同じ ウラッハのクラリネット、ウイーンコンチェルトハウス四重奏団。1952年の録音。

 この曲を始めて知ったのは、もう50年以上も前、ウエストミンスターのLPを買ってからだ。その妙なる音と、心と身体に溶け込むような音楽は、これこそモーツアルトという響きだった。
 LPはステレオではないし、装置も会社の知り合いに作ってもらった真空管を並べたものだった。だがこのレコードは繰返し繰返し聴いた。スコアをみると演奏は指定の繰返しを忠実に反復しているから40分くらいの大曲になっている。自分はこのLPでモーツアルトの美しさを知った。今のCDはこのLPをそのまま、ブラームスの5重奏曲と合わせて作ったもの。音は鮮明だし、操作性はいいし、なにしろ価格がレコードより遥かに安い。いいことずくめだが、このLPは捨てられない。30円のスコアもそのまま使っている。