日比谷公会堂の第9

日曜日 晴れ
終戦記念日。新聞記事もTV番組もいやになるほど戦争だらけ。記事を書く人、番組を作る人、 みんな戦争を知らない世代の筈だ。歴史解説のような調子になってきて、心から平和を守ろうという熱い呼びかけからは だんだん遠くなってゆくようだ。

夜のN響の時間。日比谷公会堂で7月に演奏されたベートーベンの第9
交響曲。終戦の直前、6月にこの日比谷公会堂でN響、当時の日響が尾高尚忠の指揮でこの第9を演奏したのだそうだ。日比谷公会堂は奇跡的に戦火を免れ、戦後 東京の音楽会はすべてここで開かれた。
音楽会は日比谷 というのが戦後何年かの定番だった。自分も何度かこのホールへ行ったが、いつの間にかここでクラシックの音楽会が開かれることはなくなってしまった。公会堂の階段を上がってホールに入るとまるで別世界に来たような気分になったものだ。なにしろ戦後3〜4年のころ、よく覚えていないが、周囲はまだ焼跡も残っていたのではないか。いずれにせよ懐かしいホールが放映されたのは嬉しかった。
合唱 成城合唱団、国立音大、玉川大学芸術学部、指揮 井上道義
井上は独特のキビキビした指揮ぶりでメリハリのある演奏を聴かせた。合唱も立派。こういう合唱団には参加したいものだ。が時おそし!時間の関係で第2楽章と第3楽章の1部省略。

終戦直前の第9に参加した人2名と、きょうの合唱団参加の最高齢95才の男性を、演奏終了後に井上道義が客席に紹介した。この人達は戦争も日比谷の歴史も身をもって体験している。敬服!