マーラー交響曲第9番 ニ長調

火曜日 晴れ 時々曇り。
湿気がなく過ごし易い1日だった。台風の影響もあるのだろうが、
夏もこの位の気温が続いて欲しいものだ。

 マーラー 交響曲第9番を聴く。アバドの振るウイーンフィルのCD.あまり覚えていないが、この何年か毎年1〜2回はこの曲を聴いている。覚えていないのは身についていないからだ。ただ、聴いたという記録はある。

この曲の終楽章は長大なアダージョで、最後は弦4部のPPPPですすり泣くように終わる。祈りの音楽だ。

柴田南雄氏の言によると、この曲は「マーラーにおける交響曲の完結であり、頂点である。どの楽章のどの主題も、高い音楽的表現力を保有しており、平易凡俗の影はまったくない。」のだそうだ。(「グスタフ マーラー岩波新書84年刊)
それ程の曲なら1度聴くときっと心に残るものがあるだろうと思い、いままで何度も繰り返して聴いたのだが、そうは問屋が卸さない。
難しい。今日聴いたところでは、スケルツォー風でありながら情緒溢れるマーラーぶしの出てくる第2楽章、それと第3楽章のロンドは良かった。ところが、圧巻といわれる長大なアダージョで書かれた第4楽
章はまだ気持がついてゆけない。小澤征爾がボストンフィルとの最後のコンサートに取り上げたのがこの曲で、TVで観たが泣きながら聴いている人が何人もいた。また、それより前になるが、バーンスタインがイスラエルフィルと来日し、この第9を演奏したのだが、吉田秀和がその日の演奏を、第9に書かれたすべてを聴かせてくれた名演というより偉大な演奏だった と評していた。
 マーラーの第9は数ある交響曲の中では一つ高いところにあるようなのだ。自分は残念ながらそれを実感出来るレベルに届いていない。
 もう一度 カラヤン ベルリンフィルのLPを聴いてみようと思う。

 だが、あの吉田秀和がこの曲について「マーラーの第九の最後のアダージョはえらく長い。そして暗い。」と切って捨てるように書いた文章を見た。(「LP300選」 新潮文庫)安心しました。