マーラー交響曲第6番イ短調

日曜日  晴れ。

マーラー 交響曲第6番を聴く。楽器編成が複雑で、管楽器と打楽器が多く譜面についてゆくのが大変な曲だ。暑いときに聴く音楽ではない。シノーポリ指揮 フィルハモニア交響楽団演奏のCD.
たとえば、打楽器の構成、ティンパニー、グロッケンシュピーゲル
カウベル、むち、ハンマー、シンバル、トライアングル、大太鼓、小太鼓、タムタム。楽器ともいえないものが使われている。管楽器も数が多い、全部は省略するが、ホルン8本、トランペット6本、各種クラリネット7本、など。あとハープは3台。有名なのはハンマーで、第4楽章に使われるが、ハンマーは大きな重い木槌で、奏者(というのかどうか知らないが)は大きく振り上げて床の上に振り落とすのだ。しかもたった2回だけ。譜面では練習番号129と140のところに四分音符でfffとffで打ち下ろすことになっている。だがこの部分は全部の楽器がfffとffで鳴るのだからとてもCDではハンマーの音など聴き取れない。N響はこのハンマーを持っているそうだが、殆んど使ったことはないそうだ。
この曲はタイトルが「悲劇的」となっているが そんな深刻な音楽ではない。シノーポリの演奏は明るくリズミカルで楽器の一つ一つが明瞭に浮き上がって聴こえるような音楽つくりをしているので、複雑な曲のわりには聴きやすい。第3楽章のアンダンテなど、うっとりさせられる。マーラーぶしの魅力か。だが、4楽章のハンマーの音、カウベルの音は聴き取れなかった。それにしてもマーラーはなぜこんな楽器構成にしたのだろうか。やや「狂的」な感じがする。
 ところで今夜のN響の時間は何とこの6番をやるそうだ。夕方目を通した番組欄で知った。指揮者はアシュケナージ。6月の定期だ。当然第4楽章のハンマーは出てくると思うが、あとはどこをやるのだろう。
シノーポリの第4楽章は34分かかっているから、あとやるとすれば第1楽章の繰返しを省略するのか?

アシュケナージを聴いて驚いたのはテンポが早いことだ。放映は矢張り1,4楽章だったが、このテンポではあまり感じがでない。4楽章も30分足らず、楽員も大変だっただろう。オーケストラはステージ一杯、それでもカウベルは使っていなかった。ハンマーは楽員が力一杯振り下ろすところをカメラが捉えていた。この珍しいところを観ることが
出来たのがよかった。
あとスタジオにこのハンマーを持ち込んで見せてくれたが、女子アナの岩槻さんが持ち上げたが、本当に重そう、演技ではなかった。
今度このハンマーがステージに出るのはいつか、楽しみなところだ。