月曜日  晴れ。
今日から3月、外の気温も久しぶりに暖かい1日だった。オリンピックの狂騒も今日で終わり。さて穏やかな春になるでしょうか?

今日はショパンの誕生日。今年は生誕200年ということで、いろいろ催しがあるようだがあまり情報は届いていない。また積極的に入手もしていない。というのは、ショパンの音楽をあまり聴いていないのだ。特に好きな曲もないし、嫌いな曲もない。好き嫌いを言える程聴いていないのです。

2〜3日前の新聞に、吉田秀和の「ショパンはお好き?」という文章が載っていた。3ケ月に1度の「音楽展望」である。素晴らしい文章だった。

自分が実際に聴いた10人ほどのピアニストのショパン演奏の色合いを紹介したものだが、これを読むと何だかすぐショパンを聴いてみたくなる。この人の演奏論は天下一品だと思うが、ごく短い文で聴いてみたくなるような文を綴ること、そして何人かの色合いの違いを書き分けることは並の業ではない。取り上げたピアニストは、アシュケナージ、サンソン フランソワ、エミールギレリス、ブレンデルリヒテル、ルビンシュタイン、アラウ,ホロビッツ、アルゲリッチ、リチャード グードの10人。あなたは、この人達のショパン演奏を夫々100字以内ですぐ書きなさい と言われたら出来ますか?
例えばギレリスの演奏について吉田はこう書く。「彼のひくソナタ第三番ロ短調なんか、どこをとっても一点の曇りもなく、澄み切った和声、生き生きと弾力性に富んだリズムとダイナミズム、輪郭の鮮やかな旋律といった点、どこからみても模範的といった出来栄えで、晴れ上がった冬空に浮かぶ富士山をみるような心地がした。でも「これがショパン?」と思ったのも事実。当時そんなことを書いたら、読者から「あれ以上の何を望む?」とお叱りの無名の手紙を頂いたものだ。」これを読むとすぐにでもギレリスsのショパンを聴いてみたくなるが、残念ながら自分にはその術がない。アルゲリッチのひくソナタ二番の古いレコードがあるから、それを聴いてみようか?「この音楽をひいて華やかな天才の魅力を感じさせていたアルゲリッチがこのごろあまりショパンをひかなくなったような気がする。どうして?」吉田の文章の結びである。 

木曜日  晴れ
やっと「晴れ」だ。気温も今までよりは高め。
ところで昨日の夕刊に衝撃的なニュースが出た。勿論TVでも速報が出たのだろうが、それは見ていない。鎌倉八幡宮の神木 あの大銀杏が荒天で、昨日の朝、根こそぎ倒されたという。新聞の写真は、目を背けたくなるような光景だ。

 これは目にしておくべしと、鎌倉へ。これはヤジウマ根性ではなく、1000年近い樹齢を誇っていた大銀杏に哀悼の意を表しに出かけたのだ。