また マーラーの交響曲 7番、8番、9番。

金曜日  晴れ。

昨日、今日と梅雨期がウソのような晴れ空、それに蒸し暑い。日本の夏はこのムシ暑さがいやだ。

ところで、この暑さの中でマーラーの交響曲を2〜3日かけて集中的に聴いた。7番 小澤 ボストン響。8番 テンシュテット ロンドンフィル。9番 アバド ウイーンフィル。いずれも1時間を超える重厚な大曲で、その大音響は、夏向き、年寄り向きではないかも知れない。
 
 8番は例の「千人の交響曲」と言われる合唱付きの曲だが、構成が複雑で譜面を追うのが大変、勿論演奏するのも難しいだろうが、終わった時の達成感も大きいだろう。是非やってみたかった。少年合唱のパートがきれい。聴き終えると本当に大曲を聴いたという「疲労感」が残る。でもあと3回位聴かないと自分のものにはなりきらないようだ。ウイーンではこの曲が初演された年、1年間に13回公演されたという話だが、本当だろうか?もしそうなら大変なことだ。

 7番は5楽章編成で、2楽章、4楽章が「ナハト ムジーク」と名付けられ、そのためか、この7番の交響曲には「夜の歌」のタイトルが付いている。この二つの楽章はマーラー特有の叙情的な旋律が流れ、美しい調べだ。この2楽章だけ単独で演奏してもいいのではないか という専門家もいるが、そういう例は知らない。(柴田南雄氏)
 
最後の9番、これはマーラーのすべてを注ぎこんだ感動的な名曲である。小澤征爾がボストン響を去る時、最後のコンサートで採り上げた曲で、彼は涙を流しながら演奏していた。最終楽章が長いアダージョで、これがいいのだ。大音響ではない。マーラー節だ。でも口ずさめない。胃にもたれる。ワーグナー以上だ。やはり、聴き慣れない楽器も使った構成の複雑さによるものだろう。でもマーラーは大作曲家に違いない。