能 実盛  友枝昭世の会

土曜日 晴れ

風強し。気温25℃を超え夏日となる。10日前(13日)はこんな所へいました。寒かったです。

 北海道カルルスの千歳川。
 川辺は桜が見頃でした。


夕方から明日の観能もあり、東京へ。マスクをかけて出かけたが、装着している人は意外に少なく拍子ぬけ。緊張感が緩んできたのかな?

 だが店頭にはこんな張り紙も。

 翌5月23日は国立能楽堂へ。師匠の会 15回を重ねて今回で終わりになる。それぞれ自己主張のあるいい会だった。

演目は男の「老い」のロマンを描いた名曲「実盛」

シテ、ワキ(宝生閑)それに大鼓(亀井忠雄)共々人間国宝という豪華な舞台。主題は、昔気質の老武将、斉藤別当実盛の最後を描いたもので、われわれの世代は平家物語のお話として、子供の頃からお馴染みのテーマだ。

前シテは老人の化身、実盛の幽霊。発声もくぐもった声を使い、雰囲気を出していたが、そのせいかよく聞き取れないところもあった。後シテは、錦の直垂に見立てた華やかな装束に身を包み、実盛の最後の姿を見せる。床机に腰をかけて実盛の最後を語るところが最高の見せ場、師匠の演ずる能は能役者を超えた、まさに演劇で、歌舞伎の如し。(怒られるかな?)このような修羅物を演じたら、能楽界で右に出る人はいないのではないか。

狂言は野村万さんの「樋の酒」。この人も人間国宝。酒をのんで愉快になる演技が実にうまい。観ている方も楽しくなる。狂言は深刻なところがないからいい。
TVの見せるお笑い芸人の演ずる安っぽい芸とは、深さがまるで違う。TVは日本の伝統芸能の深さ、高さをもっと知らしむべし。