北杜夫 「親不孝旅日記」

金曜日 晴れ。
暑し。夏が戻ってきたようだ。それでも気温は30℃は超えなかったらしい。雨になるという予報は外れ。
 昼、例によりリハビリ治療へ。利いているのかどうかよくわからない。マンネリの観あり。行くこと自体が足ならしのリハビリになっているかも知れない。

北杜夫「親不孝旅日記」を読む。(角川文庫 83年刊)母親の輝子さんの海外旅行に、面倒をみるつもりで夫婦で同行したが、海外旅行のベテランの母親に現地で翻弄されるお話。JALパックのパリ旅行に参加したようだが、現地ではツアーを離れVIP待遇の場面多く興ざめ。輝子さんは80才を超えていた様だが、旅慣れていて杜夫のほうがハッパをかけられていたらしい。一方でホテルの鍵を失くしたり、エレベーターから一人で違う階に飛び出して行方不明になったり、ホテルを間違えたり、椿事の主役でもあったようだ。だがあまり面白くない。母親輝子さんの行動を生き生きと書ききれていないのだ。遠慮をしているような感じ。興味の持てる題材なのに惜しい。「楡家の人々」や茂吉の評伝の方が読ませる作品になっている。