旅の本

月曜日 晴れ。
週末の株暴落、誰も予測できず。この道の評論家ほど気楽な商売はない。相場2万円を説いて17千円ワレで何のお咎めもなし。
 昨日の朝日新聞日曜版に読書特集として鹿島茂森まゆみ両氏の「旅の本」を語る特集あり、1日遅れで読む。二人の読書体験からオススメの「旅行記」を語り合うというものだが対談そのものも面白かった。二人が対談の中で紹介した本は50冊くらいあるが、「読書特集」として行き届いていないのは、話題になった本の出版社がわからないことと、今それが入手可能かどうかがわからないことである。得に文庫本は絶版になるのが早いからそれらは明記すべき。話題の本で読みたいのは森まゆみさん紹介の「東方見便録」文、斉藤政喜 イラスト、内沢旬子 出版社不明、何時ごろ出たものかわからないので手探り探すしかないだろう。若しかしたら 文春文庫にあるかも知れない。
 
 当方のおすすめ少々。

 内田百輭「阿呆列車」 新潮文庫 入手可能、 
「何も用事がないから汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」と言う書き出しではじまる列車旅行記。絶品 これが話題になっていないのはおかしい。

 イザベラ バード「日本奥地紀行」平凡社ライブラリー 入手可能
 本書は森まゆみさんが話題にしている。

 
 増田四郎「ヨーロッパの横顔」 平凡社    絶版 入手不可能
 著者は元一橋大学学長、西洋中世史の権威。1956年に船でヨーロッパへ渡り1年以上滞在した時の見聞を記録したもの、副題は「人、自然、文化」。船旅でカイロに入港した時 遥々来たものかな とアジアとヨーロッパの距離の遠さを実感しているのが印象的である。増田さんはこのあと1967年に岩波新書に「ヨーロッパとは何か」を書き下ろし新書切っての名著とうたわれている。いまでもヨーロッパに旅行する人は出かける前に増田さんの本を読み、持ってゆく人もあると聞いている。



夕方の散歩、 三浦天神島のレストラン。


 レストラン庭から見た佐島港