9月になりました。

金曜日 雨。




 久し振りに朝から終日雨。おかげで気温も上がらず9月早々秋が来た感じ。これで晴れてくれば爽やかなのだが。晴れると気温が上がり、まだ「爽やか」というわけにはゆかないだろう。外に出られないので、今日はまたレコードを聴いた。ロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」全曲。LP3枚。バイエルン放送交響楽団、イタリア国立歌劇場合唱団、ほか による1960年のレコーデイング。半世紀近く前の録音だが、今日聴いたところでは音色、音質ともに素晴らしいものだ。古くからの所持盤だが、針を下ろして全部聴いたのは恥ずかしながら始めて。レコードの良さを再認識しました。演奏も1級、まずオケがいい。あの有名な序曲(楽譜をみると正式には「シンフォニア」というらしい)。に引き込まれた。音の厚みと、管楽器の透明感、歌いまわし、今まで何度も耳にした序曲だが、ロッシーニは実に良い音楽を書いたものと感じ入るほどの演奏だ。流石、バイエルン
歌手は誰も知らない人だが、ロジーナ役のジャンナ、ダンジェロというソプラノがうまい。イタリアオペラ特有のコロラトウーラで高音のパッセージを玉を転がすように明るく、軽々と歌うのは聴いていて快い技巧だ。コロラトウーラソプラノは発声器官を酷使するので、歌手の中で最も生命が短いそうだが、この人も活躍の期間は短かったらしい。その意味で貴重なレコードといえる。この
曲には、早口のアリアや重唱があって聴く方には面白いが、歌手は大変だろう。有名な歌劇なのに日本では余り上演されないのはそれも一因かもしれない。ロッシーニ、ドニゼッテイー、ベルリーニ、ヴェルデイーと続くイタリアオペラを集中的に聴いてみたいものだ。