富田メモの波紋

木曜日  快晴。
 暑し。セミの声しぐれの如し。いよいよ真夏だ。
 「富田メモ」についてネット上に膨大な情報が集まっていることを知りびっくりした。問題は
 富田メモが、本当に昭和天皇の発言を記録したものなのかどうか信憑性が疑わしい、ということと、何故この時期にこの古いメモが出てきたのか、という2点。スクープした日経に全く目を通していないし、あまり真面目に考えたこともないので責任のあることは云えないのだが、ごく常識的に
考えると、天皇の話を聴くときには誰もメモはとらないものだそうだから、写真で紹介された様に走り書きのメモは残らない筈だ。天皇の話を記録するなら時間をかけてもっとキチンとしたノートを残すと考えるのが自然ではないか。またメモにある「私」というのが天皇であるという客観的な立証ができていない。これは記事を出した日経の問題である。某週刊誌は「世紀の誤報」というタイトルで記事をだしている。もう一つ、20年も前の天皇の発言が何故今ごろ、首相の靖国参拝が取りざたされている時に出て来たのか ということだ。麻生大臣は「これが朝日ではなく日経から出たことがいやらしい」と発言していた。朝日は今日の社説で小泉が靖国参拝を続ける論法が嘆かわしいとした上で「昭和天皇A級戦犯の合祀に不快感を抱き、それが原因で参拝をやめたという側近の記録が明らかになった」「国政の最高責任者である首相には、さらに慎重な判断が求められる」と書いている。誰かの思惑通りメモの内容が政治的に利用されているのだ。そういえば、朝日
論説委員の若宮氏が、先月31日に新聞に書いていたが、北京の清華大学で学生から「昭和天皇A級戦犯が合祀されてから靖国参拝を取りやめたのを知っているか と質問されたそうだ。昨年5月の
ことだ。このメモの公開に中国がからんでいるのではないか という人もいる。これからどうなるだろうか。