■

日曜日　　雨

　住民税の通知を受け取った高齢者の投書が
　増えてきた。自治体の担当窓口は問い合わせ
　と、苦情を持ち込む人が溢れて混乱している
　という。当たり前だろう。「所得は変らない
　のに何故こんなに税金だけが増えるのか」と
　いうストレートな生活感情によるものなのだ。
　　それに、医療制度の「改正」、介護保険の
　増額が追い討ちをかける。課税所得が上げられた
　ので、健保料金もスライドして上がってくる。
　　税調の所得税改正の「論点整理」という文書を
　読んで驚いた。、石弘光を会長とする政府税調
　の考え方は、諸外国にくらべて、日本の税制には、
　様々な控除があるので実効税率がが低すぎる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　また年齢だけを対象として優遇措置をとるのは
　おかしい。世代間のアンバランスを招いている、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　というものだ。要はこれだけだ。
　　国の財政難から、税収を増やす必要があるのは
　理解できるが、これは線の引き方を下にずらして
　クリックしただけだ。こうすれば自然税収が増える
　のはサルでもわかる。国際比較とかいう理屈はあとから
　つけたデコレーションだ。高齢者の生活を地道に
　調査してあるべき姿を描く　という現場的な苦労は
　全く見られない。机の上でエンピツをなめながら
　つくりあげたものでしかない。薄笑いを浮かべた
　石会長の顔が目に浮かぶではないか。
　始めに増税ありきで、それらしい理屈をあとから
　つける。温かな心のない人の仕打ちだ。
　　次ぎは消費税！これを2ケタにすべし、とこの人が
　主張している事を忘れてはいけない。
　答申ををそのまま政策としてとりあげた小泉の本性も
　読めた。
「痛みをわかちあう」といっていた「小泉改革」の帰結は
　物言えぬ高齢者の狙い撃ちだったのだ。
　　日本は「軍事予算」を組む時代になりつつある、という
　のは考え過ぎだろうか？