日曜日 雨
 終日、ショボショボとした不景気な雨。やや寒く
 ストーブをつける。昨日録画したベルリンフィル
 2005年ジルヴェスターコンサートを観る。「フィガロの
 結婚序曲」「P協9番」「交響曲36番プラハ」それに
 「フィガロの結婚のフィナーレ」という洒落たもの。
 特にフィガロのフィナーレは良かった。歌手の表情が豊かで、
 コンサートステージなのに本当にオペラを観ているよう。
 年末最後のコンサートを、このようなハッピーエンドの明るい曲で
 締めるセンスは流石だ。アンコールは、7人の歌手による
 「アヴェヴェルムコルプス」。この日のお客さんは皆幸せな
 新年を迎えられたに違いない。
  朝日新聞に21才の大学生の投書があった。題して「若者に
 必要な抵抗する文化」。フランスの同世代の学生が自分たちの
 力で政府に「初期雇用契約」を撤回させたことにふれ、日本の
 若者をめぐる状況はフランスより深刻だ。平和的な行動が条件
 だが、われわれにも、「抵抗する文化」が必要と云う趣旨。同感である。
  戦後間もなく、アラゴンの「レジスタンス」という本が良く読まれた。
 これは戦時下のドイツに対する抵抗の記録だが、フランスには革命以来
 しぶとい抵抗の歴史と文化がある。人気を落としたドビルバン首相も
 外相時代は国連で、アメリカのイラク派兵に最後まで反対意見を唱え
 ついにフランスはイラクへ派兵はしなかった。
  抵抗の支えになるのは、基本的な権利と自由を守ろうとする強靭な精神だ。
 今の若者にはそれがあるだろうか?いささか?なしとしない。