火曜日  曇り 夜 雨。
 昨日から東京、今日は涼しく男性はスーツ、女性にも
 スーツ、カーデイガン姿が目立つようになった。
 東京にくると、季節の替わりがよくわかる。
 こちらは、半袖シャツ姿でいささか季節にアンマッチか。

 三好達治「詩を読む人のために」 岩波文庫

 を読んだ。詩集をひもとく、などという感性も趣味も
 ないが、これは良かった。始めて現代詩を読む年少の
 読者のために書いた ということだが、どうしてどうして
 三好達治が心をいれて書いた本格的な詩論であり詩人論である。
 「千曲川旅情の歌」に始まって、いくつかの代表的な詩人の作品
 が按配よくおさめられていて、一読「詩」は幅のひろいものだ
 ということがよくわかる。良い詩は何故良いのか、「千曲川旅情の歌」
 について三好達治がつけた講釈を読むと納得できるだろう。
 薄田泣菫の「ああ大和しあらましかば」、万葉長歌の如き格調高い作品
 である。難しいがなんども音読し、ペンで写し取ると理解出来てくる
 かもしれない。そして実際 奈良に行って読むと一層良いだろう。
 その位のことをしてみたくなる立派な詩である。

 この岩波文庫には、なぜか100円のシールが張ってあった。中身は
 そんな安いものではありません。